連載コーナー

内田の話 第五回

2023/03/13

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
3年生もあと3週間ほどとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
我々3年生は、ソライズさんの工場見学を来週に控えております。

ところで、特技は何ですか?
特別な技ということですが、「ゼミ生みんなの特技を知りたい」と最近思いました。
スポーツでしょうか、料理でしょうか、タイピングの速さでしょうか、速読でしょうか、演奏でしょうか、身体の変わった動きでしょうか・・・
特技が生まれる瞬間を、先日初めて意識しました。特技は、いつの間にか特技になっているものかと思っていたのですが、特技になる瞬間があったのです。
自分自身の潜在能力の発見でした。ちょうど、自分の特技を増やしたいと思っていたのでラッキーです。
特技と決めてしまえば、確実に特技として自分の中に定着させるために、毎日極め始めることになりました。
道具にもこだわり始めてしまい、趣味になりつつあるところでございます。

就職活動のエントリーシートには、趣味と特技を記述する欄があったりなかったりするのですが、重要度は低いので、せいぜい100字から200字程度です。
しかし、いろいろ書く就活生の私としては、趣味と特技を書くときが一番楽しく、もっと書きたいと思ってしまいます。
ガクチカよりも長所短所よりも、趣味特技の欄こそ、その人が表れる絶好の欄だと思うのです。
採用担当者に変身し、多くの学生の趣味特技をリサーチしてみたいのです。
エントリーシートに追われながらも、なんだかんだ楽しんでやっている今日この頃なのです。
皆さんの特技は、何ですか?

就職活動をしている人も、自己制作に励んでいる人も、季節の変わり目ですので、体調にはお気を付けましょう。
次回の第六回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)

内田の話 第四回

2023/02/13

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。

冬・春休みも中盤になりまして、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は最近、”香水をかけ過ぎてしまった日”がありました。
「隣の人の鼻に申し訳ない」と思い、微動も許されないと覚悟して電車に乗ります。
電車内で必要と思われるスマートフォンとポケットティッシュは、すぐに手に取れるように鞄の外側のポケットに入れ、電車に乗る前に水を一口飲んでおきます。
ここでポイントなのは、上着のポケットに必要なものを入れないことです。ポケットに手を入れるということは、隣の人に体を近づけることになる上、香りを撒き散らそうとしているのと同じことだからです。
乗る前の準備はよし。
席に座ったら長時間の揺れに備えて、座る体勢の確認と調整をします。足の位置、手の位置、鞄の位置よし。

発車アナウンス。

隣に人が座って来なければ余裕をもって調整可能です。
ドアが閉まる直前まで油断禁物です。駆け込みで乗ってきた人が隣に座ってしまうことがあるかもしれないからです。

ドア閉まる。

とりあえずよし。次の駅まで身は自由です。
隣に人が座っている場合、電車の発車発着時の左右の揺れが憎いのです。「あーごめんよ。隣の人ごめんよ。」心で呟きながら体に力を入れて、なるべく揺れに逆らいます。
時々隣の人の様子を伺いながら、体勢の調整をします。
隣の人が手を鼻に当てていたり、昨今はマスク着用の人が多いですから見かけることが少なくなりましたが、ハンカチを顔下半分に当てているようなことがあれば、目的の駅まで何駅あろうと、すぐに立ち去ります。
この状況で最悪なことは、駅間を運行している間に隣の人が立って、違う席に移ることです。この場合、私の香りのせいで不快にさせてしまったこと、他の空席を探し、立って歩いて、空席の周りの人に軽く会釈しながら座るという手間をさせてしまったことに対する謝罪が必要です。しかし謝りに行くのにも、私が動くと香りも動いてしまうことになり、さらに不快に思う人が増えるということを考えると、私は座ったまま何事もなかったかのように澄ましておくことが最良なのです。

このように文章にして書いてみると、甚だ面倒な人間だと思う冬・春休み前半なのでした。
”香水をかけ過ぎてしまった日”に共感してくれる人が一人でもいらっしゃったら心強いです。

次回の第五回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)

内田の話 第三回

2023/01/09

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。

あけましておめでとうございます。
1月は4年生の卒業制作展と3年生はゼミ室の引越しということで、皆様バタバタしていることと思います。妖怪いそがしに取り憑かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私は、住んでいるところから鷹の台駅に行くまでに、毎年行き方を変えています。
4年生になる年になり、今年はどの行き方にしようか、考え始めたところでございます。
実家暮らしの方も一人暮らしの方も、住んでいるところから大学までの道のりは、どうですか?
鷹の台駅から大学に行く時、私は、12通りの行き方を使い分けています。
武蔵美生の集団と鳩を避けて通っていたら、結果的にそうなっただけの話なのですが、同じ道に飽きるということもあります。
駅から大学までのたった20分×3年間で、鷹の台印象的住民ベスト3が発表されました。

その道のりのひとつで、よくすれ違っていたおじさんがいました。もちろんベスト3の方です。
容姿は、小竹信節先生のような帽子に丸眼鏡、アウトドアでもシティーでも着ていけるようなカジュアルな服装のおじさんです。
会うと、「あ、あの人だ!」と少し嬉しくなりますが、通り過ぎてしまえば何も思い出しません。
しかし、ある時歩いていると、ふと、あのおじさんを思い出してしまいました。
同時に、あのおじさんには、もう会うことができないような気がしました。
その直感は的中し、だいたい同じ時刻に同じ道を歩いても、あのおじさんとすれ違うことはなくなってしまいました。

今一番会いたいのは、あのおじさんです。
2023年もよろしくお願いいたします。

次回の第四回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)

内田の話 第二回

2022/12/12

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。

世間では、サッカーの森保監督の試合中のメモが注目されていましたが、皆さんメモをとっていますか?
メモをとる訳はそれぞれあると思いますが、私の場合は、本当にすぐに忘れてしまうからということです。
気を許した人の前では、驚くほど長期的記憶力がありません。そのことに気が付いた頃から、私はメモ魔になりました。何か手を動かしていたい欲が満たされます。

空デに入学する前、鈴木康広さんというアーティストをテレビで観て、やったことのないノートの使い方を知り、試してみたことがあります。
無線ツバメノートで、気まぐれに開いたページに書くということは、私には合いませんでした。
ここ数年のおまけの目標は、自分に合う記憶法を見つけることなのです。
そのひとつでメモ魔を続けていますが、やはり見返さないと記憶は定着しないことに、今更気が付いた最近この頃です。
忘れないために始めたメモも習慣(癖)となり、離れられない関係性になりつつある今、知りたがり屋の性格もあり、他の人のメモが気になって仕方がありません。
自分のメモを見られることは非常に不快なことです。メモする人はお分かりいただけるかと。
だから見ることはしませんが、やはり他人のメモには、その時のその人の全てが詰まっているから魅力的なのです。
メモをとりながら考える、考えるためにメモをとる、メモをとり続けてできるようになったことです。
もう、メモをしないでは考えられない身体になってきてしまっているのが、いいのか止めるべきなのか。

電車でスマートフォンに夢中になりながら、もう片方の手の人差し指と親指をスライドさせて、自身の髪をネジネジしている人がいました。
考えながらメモ、メモをとって考えるのと同じように、ネジネジしながらスマホゲームの戦略を考える人にとっては、ネジネジがメモなのかもしれません。
メモが癖になるのだから、癖がメモということもありえると思いました。

次回の第三回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)

内田の話 第一回

2022/11/14

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。

次の日が朝早いという時、翌日に着ていく洋服と手荷物を準備すれば、効率が良いし、朝バタバタしなくて済む方法のひとつだ。

しかしなぜだろう。
私の家族に限ったことなのかもしれないが、前日に準備した洋服の中に、靴下が入っていないのだ。
だから朝、「靴下貸して」「これいい?」「それはだめ」「じゃあこれは?」というドタバタ靴下小騒動が頻繁に起こる。

こういう小騒動を起こす者は、靴下を甘く見過ぎなのだ。
靴下も立派なファッションのひとつであるということを理解していないのだ。
もっとも、靴を履いてしまえば、外からは見えなくなってしまうし、手を抜く、楽ちんをするという意味では、靴下がその役になってしまうのも分かる。
けれど違うでしょ。
たとえ靴下が靴に隠れたとしても、神は細部に宿る。
「周りの人にはわからない、私だけが知っている今日の私の靴下。えへ、可愛いのよ。」
「今から行くお店がお座敷だったらちょっと嬉しいな。」
なんて思っていればハッピーなのではないか。
だから私は、今日もお気に入りの靴下を履く。

靴下の話をもうひとつ。
私は、我らが鈴木康広先生の靴下を2度ほど見たことがある。
ひとつは、身体翻訳家の米山さんが授業をしてくださった時、芝生の上で靴を脱いでストレッチしている鈴木康広先生の靴下。
もうひとつは、鈴木康広先生の「空気の人」という作品のメンテナンスのため、体育館で作業をする鈴木康広先生の靴下である。

どちらも共通点がある。
それはピンク色の靴下だったということ。
ボーダーに紺色や黒色のズボンばかりの鈴木康広先生が、まさか爽やかで、やさしいピンク色の靴下を履いていたとは、大袈裟に言えば衝撃的だった。
鈴木康広先生が若い頃の宣材写真をみれば、ピンクのシャツを着ていることからも、ピンク色が好きなのかな、と私が勝手に思っているという話。
ちなみに「空気の人」のメンテナンスの時は、アシスタントの方もピンク色の靴下で、2人で立って話し合っている時、足元では、ピンクがウニョウニョ動いていて可愛かったのだ。

次回の第二回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)

内田の話 第零回

2022/10/10

こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田と申します。

このコーナーを開いてくださってありがとうございます。

この度、ゼミ長の佐々木さんの提案で、誠に勝手ながら連載を始めることになりました。
人に提案してもらって自分が何かする、ということはあまりなかったので、提案してもらったことが嬉しく、ウキウキで連載コーナーを作りました。
できるだけ面白く、誰か一人でも楽しませることができたら嬉しいなと思っています。

前置きがないと、「いきなり現れたよくわからない内田というやつがやってる連載コーナーって何だよ」ということがあるだろうと思い、第零回を書いています。
タイトルに、ちゃんとした連載企画のようなセンスあるタイトルをつけたいと思ったのですが、センスあるタイトルを思い付かなかったので、私は内田だし、シンプルに「内田の話」にしました。

どうぞ、よろしくお願いします。

ところで、自分の苗字をどう思っていますか。
私は内田なのですが、小学生の時にテレビで観た同年齢の野球少年打田くんをみて、”うちだ”の漢字の可能性を感じてから、”うちだ”が嫌ではなくなりました。”うちだ”は”内田”だけだと思っていたので、他の”うちだ”がいて嬉しかったのです。
先日、鈴木康広先生の『空気の人』のメンテナンスのお手伝いに参加した時、「内田さん、外田さんっているのかね?」と聞かれ、「いるんじゃないですか」という何ともつまらん返しをし、「外田さんに出会ったことはある?」と聞かれる場面がありました。
私が思うに、外田さんは稀です。なぜなら、今ここで、”外田さん”とタイピングをしようとして、”そとだ”と打っても”外田”と出てこないからです。”そと+でん”で”外田さん”とタイピングしています。そうすると、このPCの中では”外田さん”は、”そとでんさん”ということになっていて、何だか面白いなと思っている連載第零回でした。

と書いている間に、”うちだ”が”内田”ではなかったように、”そとだ”も”外田”ではないかもしれないと思い、他に”そとださん”がいるのか探す課題が増えました。
このような、課題と言っては大きいけれど、今後、偶然に見つけられたらいいなという課題をなんと呼んだらいいでしょうか。
小課題?宿題?
宿の課題でも、大きい小さいでもないので、偶然と課題ということで、偶題ということにしておきます。

しかし何ということか、偶題を検索してみると、偶題が存在していました。よくあることです。作った自分の言葉だと思っていたら、すでにある言葉だったということ。
偶題とは、たまたまできた即興詩のことだそうなので、偶題を取り止めて、「偶然に見つけられたらいいなという課題」そのままでいきます。何かいい言葉を思いついた方がいらしたら内田まで。

話が飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回ってはいませんが、鈴木ゼミの発展とこれからの文筆向上を祈念しまして乾杯。

”すずき”という苗字は、植物(木)でもあって、魚でもあって、鈴木さんが多い理由もそこにあったりするのでしょうか。

次回の第一回もよろしくお願いいたします。

(文・内田莉子)