連載コーナー
内田の話 第十四回
2023/12/31
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
2023年が終わります。4年生は各自卒制で忙しくしています。
大晦日に食べると言ったら年越そばですが、毎年律儀に年越そばを深夜の12時に食べるという家庭は日本にどれくらいあるのでしょうか。
大晦日にクリスマスのようなチキンとワインのパーティーメニューを揃えに食品売り場へ行くと、意外にも大勢の客で賑わっており、テレビでも観ながらお酒とおつまみでのんびりという家庭が多いものなのでしょうか。
季節や行事はそれとして、食べたい時に食べたいものを食べるのが一番美味しいはずですよね?
来年の卒業式の日までよろしくお願いいたします。
次回の第十四回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第十三回
2023/11/27
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
今月は4年生の中間卒制プレゼンが行われました。
来てくださった3年生の皆さんありがとうございました。
ところで、鈴木ゼミの人は、”しみ”の形を見て、何かに見立てて面白がるということが得意な人が集まっているでしょうし、「それが何」とならず、楽しめるのが鈴木ゼミの人だと思うのです。
うちの台所の天井には音符があります。
正確には、音符の形をした”しみ”があります。
台所はディスコで、包丁はミキサーで鍋はターンテーブルでしょうか。
作り手はDJで、食材は踊る人々でしょうか。
できあがった料理は、みんなで作り上げた一皿でしょう。
自分のための料理は時短とどうしてもなってしまいがちですが、
そんなふうに思えば、時短とか言っていられなくなり、
観客という食材をどうかまそうかと、
献立を考えるのも楽しくなると思うのです。
時短を売りにするもの全てに言いたい。
時短してまで生きてたいのかよ。
次回の第十四回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第十二回
2023/10/16
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
先日はソライズ御一行様をお見かけしました。3年生がいると、自分たちが4年生になったことを実感します。4年生になって半年が過ぎているにも関わらず。あと5ヶ月は、精一杯に学生という立場を利用しましょう。
あるものを見て、「うおっ」と思って、身体が遅れてゾワゾワッと、鳥肌が立ち、寒気を感じる時とは、どのような時でしょうか。
野菜に変なイボイボがたくさんできていたとき、謎にできている青あざの色が鮮やかすぎるとき、小さいものが密集して一斉に勢いよく動き出すときなどでしょうか。
雨の日靴の足跡がたくさん床にあることでゾワゾワするのかもしれません。ネジが一回り入れ込まれていないことにゾワゾワするのかもしれません。作業をした後、たっぷりの泡で手洗いをして泡が真っ茶色になることにゾワゾワするのかもしれません。パソコン画面にいつの間にかある傷のつき方にゾワゾワするのかもしれません。
10月は擬音ゾワゾワ月間として、ゾワゾワする瞬間を探していこうと思います。
次回の第十三回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第十一回
2023/09/26
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
秋分の日が過ぎまして、大学帰りなんかは寒くて、腕をさする頻度が増えてまいりました。
風邪が流行る時期でもございます。皆様お気をつけましょう。
ところで私事ですが、実家は町の洋食屋をしております。
常連様のおかげか、かれこれ50年ちょっとやってきたというところでございます。
店名は、某有名キャラクターのお名前と同じなのでございまして、その由来はと言いますと、先代がふざけてつけたのか、なんともこだわりが感じられない滑稽な話なのでございます。
地元では割と名が通っておりまして、某有名キャラクターを申しますと、「ああ、あそこね」というほどなのです。
自宅はまた別の離れたところにございまして、ありがたいことに、お隣さんも時折、店に訪れてくださる仲なのでございます。世界的に有名なキャラクターでございますから、さまざまな商品が売られているわけですね。
そんな中、お隣さんの家の窓には、某有名キャラクターが旗を掲げている掌サイズのぬいぐるみが飾ってあります。
さらにぬいぐるみは、窓の外を向いておりまして、私の自宅の窓からでしか、ぬいぐるみと顔を合わせることができないときているのです。
某有名キャラクターの店の家族にあてた、お隣さんにかわって某有名キャラクターからのエール。
お隣さんからのささやかなユーモアに窓を開け閉めするたびに和む秋の夕暮れなのでございました。
次回の第十二回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第十回
2023/08/30
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
夏休みも残すところあと1週間を切った時期になりました。
つまり4年は、卒制まで5ヶ月を切ったという時期でございます。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
暑苦しい夜が続いている夏ですが、24時間冷房をつけっぱなしにしている方が多いのでしょうか。
冷房をつけたまま寝ることが習慣としてはなく、無用心にも窓全開で、夜風の中眠りにつくことが我が家です。
よし寝ようと思い、布団に入った時、やはり暑くてたまらない日はあるわけです。
どうしても眠れない時、皆さんはどうしていますか。
昔から実施していることは、瞬きしないチャレンジ。
乾きますが必然的に目を瞑りたくなるのでいつの間にか寝てしまします。
テンションが高めで眠れない時なんかは、プールのケノビの姿勢になり、布団の端から端までを左右にゴロゴロゴロゴロゴロゴロ目が回るまで行います。
疲れるので、これも必然的に眠りにつくことができます。
本当に脳が冴え過ぎて眠れない時は、いっそのこと寝ないと決めて、布団の中で絵を描くのです。
眠れない時の皆さまの解決法、そんな話になることがありましたら教えてください。
次回の第十一回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第九回
2023/07/11
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
盛夏の候、皆さまご多忙のことと拝察いたします。
あるはずがなかった昨日のゼミでは、鈴木康広先生が続けていらっしゃる「自分センチ定規」というワークショップを行いました。
未来のゼミ生へのネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、「一口ちょうだい」の”一口”の違いで苛立つこともなくなる予感がいたします。
もし苛立つことがあるようならば、その場でこのワークショップの簡易版をささやかに開催することにいたしましょう。
大学1年生のときに、登校する電車に乗るためホームに立っていたとき、一度だけお見かけしたことのある男性がいました。
その方はスマートフォン3台を横並びに持っていました。
それらは太い輪ゴムで固定されており、敏速な指の動きで次々とゲームを進めておられました。
先日のこと、3年ぶりに電車の中でその方をお見かけしました。
いい意味で相変わらず、輪ゴムで固定されたスマートフォン3台でゲームを進めておられました。
スマートフォン3台を固定するために、輪ゴムに辿り着くまでに試した材料、輪ゴムに辿り着き一体何種類の輪ゴムで実験をし、装着方法を幾度と試したのか。
その工夫こそがこの方のスキルであり、同時に3つの画面に目を配り指を動かし、輪ゴムの寿命と向き合いながら日々電車でゲームを楽しむこの方にとって輪ゴムとは。
この3年間の中で、輪ゴムを何度交換し、輪ゴムのメンテナンスにどれだけの時間を費やしているのでしょう。
スマートフォンという精密機械、しかも3台を死守しているのは輪ゴムです。
スマートフォンの命はあの輪ゴムに託されています。輪ゴムは命綱です。
この方に、「自分を文房具に例えるなら?」と質問したらば、「輪ゴム」だとお答えになるのでしょうか。
そもそも輪ゴムは文房具に分類されるものなのでしょうか。
次回の第十回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話(第八回)
2023/06/12
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
4年生は、本日が3Dプリントのデータ提出日でした。
PCとの必死の格闘の結果、なんとかなりそうで、ほんの一息をついております。
常々私は、なんて周りの人に恵まれているんだろうか、と思います。
20数年生きてきたみんなも、そのようなことを思う時がたまにはあるのではないでしょうか。
時々、見知らぬ人のご親切やご厚意に大変救われることがあります。
会ったこともなく声もわからず、文面のみのやり取りなのに、お言葉やご対応に感動し、
私もこんな大人になりたいな、と思います。
大人になったら、私がしていただいてきたような言葉や対応を、その時の学生や下の世代にしていきたい、と思うのです。
大人になったら、
大人になったら、
大人になったら、
ら、
私、もう大人なんだった。
歯医者に行き、「歯磨きが嫌いなんです」とぼやいたら、「あなたはもう大人なんだよ」と言われました。
私、大人だったんだ。
年齢と身体は大人に分類されるのに、言動や内面が大人なのだろうか、と思う時があります。
連続の中で生きているから、大人ではないんだけどな。
次回の第九回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第七回
2023/05/16
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年の内田です。
地味に連載更新しております。気づいてくださる方がおり、嬉しい限りです。
先日4年生は、宮城県石巻市へフィールドワークに行ってきました。鈴木ゼミの副々担任のような山内さんのご実家の廃棄物処理場にお邪魔しました。
整理整頓されていないと気が済まないという人や、散らかっていると安心する人や、最低限の物があればよいと言う人など、ゼミの中にもいろんな人がいると思いますが、モノを捨てられない性をお持ちの仲間がいて、現在の引っ越し作業途中のゼミ室も、個人的には居心地がいいのです。
昔から気になった物を拾っては持ち帰り、私にとっては宝の山、側から見ればガラクタの山が連峰をなしていました。同居する家族からは、「片付けなさい」と言われ続け、それでも拒み続けた、大学生になったある日のことです。
鈴木康広先生の初めての授業の時、先生が、「アーティストは片付けをしてはいけないんだよ。掃除はした方がいいけれど」というお言葉が、私には神の言葉のようでありました。
拾ってきたモノにはそれぞれ、拾い人各々のグッドくるポイントがあるわけで、それを共感したい、わかってほしいというわけでもなく、ただ拾い人がそれぞれのやり方で愛でる。先生をはじめ、それを学びとしてできるということが、このゼミにいてよかったなと思うところでございました。
次回の第八回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第六回
2023/04/10
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、4年生になりました内田です。
先日は大学内にて定期健康診断がありました。
4年生であることを実感し、語尾侍化の案内に和みつつ、大学生最後の健康診断を受けてきた次第でございます。
ところで”和む”といえば、国民的アニメ「サザエさん」ではないでしょうか。
強引に「サザエさん」の話を始めます。
「サザエさん」を観賞していて、サザエさんの髪型は印象的です。
頭頂部と左右にお団子がそれぞれ3つずつ飛び出しています。合計9つのお団子です。
「これは一体・・・」と思わない方は少ないと思いますが、この実態をご存知の方はいらっしゃいますか。
または、この髪型の再現や調査、想像をした方も、武蔵美の中にはいらっしゃると思います。私もその一人でございます。
サザエさんの髪型は、魚を正面から見たときの印象をイラストにしているのだと思っております。
つまり、背ビレと左右の胸ビレと顔で、サザエさん。
気が付いた瞬間には「これだ」と確信をついたものの、子供心に「そんなことはない」ということは承知しておりました。
しかし、「サザエさん」のキャラクター名は、それぞれ海に関係している名前ですし、あり得ないことはないかもしれないと、自分の発見を信じ続けて参りましたが、それも今日で終わりです。
今ほど遂に、「サザエさん 髪 なぜ」で検索をしてしまったところでございます。
きっと皆さんそれぞれに、サザエさんの髪型への思い入れをお持ちだとお察しし、ここでサザエさんの髪型の現実を記載することは控えさせていただきます。
気になる方は検索をしてみてください。今を楽しむ子供心が、ほんの少しだけ抉られる記事が多くあります。
真実でなくてもいいから、自分で見つけたものを大事にしたいと思う今日この頃でございます。
次回の第七回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第五回
2023/03/13
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
3年生もあと3週間ほどとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
我々3年生は、ソライズさんの工場見学を来週に控えております。
ところで、特技は何ですか?
特別な技ということですが、「ゼミ生みんなの特技を知りたい」と最近思いました。
スポーツでしょうか、料理でしょうか、タイピングの速さでしょうか、速読でしょうか、演奏でしょうか、身体の変わった動きでしょうか・・・
特技が生まれる瞬間を、先日初めて意識しました。特技は、いつの間にか特技になっているものかと思っていたのですが、特技になる瞬間があったのです。
自分自身の潜在能力の発見でした。ちょうど、自分の特技を増やしたいと思っていたのでラッキーです。
特技と決めてしまえば、確実に特技として自分の中に定着させるために、毎日極め始めることになりました。
道具にもこだわり始めてしまい、趣味になりつつあるところでございます。
就職活動のエントリーシートには、趣味と特技を記述する欄があったりなかったりするのですが、重要度は低いので、せいぜい100字から200字程度です。
しかし、いろいろ書く就活生の私としては、趣味と特技を書くときが一番楽しく、もっと書きたいと思ってしまいます。
ガクチカよりも長所短所よりも、趣味特技の欄こそ、その人が表れる絶好の欄だと思うのです。
採用担当者に変身し、多くの学生の趣味特技をリサーチしてみたいのです。
エントリーシートに追われながらも、なんだかんだ楽しんでやっている今日この頃なのです。
皆さんの特技は、何ですか?
就職活動をしている人も、自己制作に励んでいる人も、季節の変わり目ですので、体調にはお気を付けましょう。
次回の第六回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第四回
2023/02/13
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
冬・春休みも中盤になりまして、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は最近、”香水をかけ過ぎてしまった日”がありました。
「隣の人の鼻に申し訳ない」と思い、微動も許されないと覚悟して電車に乗ります。
電車内で必要と思われるスマートフォンとポケットティッシュは、すぐに手に取れるように鞄の外側のポケットに入れ、電車に乗る前に水を一口飲んでおきます。
ここでポイントなのは、上着のポケットに必要なものを入れないことです。ポケットに手を入れるということは、隣の人に体を近づけることになる上、香りを撒き散らそうとしているのと同じことだからです。
乗る前の準備はよし。
席に座ったら長時間の揺れに備えて、座る体勢の確認と調整をします。足の位置、手の位置、鞄の位置よし。
発車アナウンス。
隣に人が座って来なければ余裕をもって調整可能です。
ドアが閉まる直前まで油断禁物です。駆け込みで乗ってきた人が隣に座ってしまうことがあるかもしれないからです。
ドア閉まる。
とりあえずよし。次の駅まで身は自由です。
隣に人が座っている場合、電車の発車発着時の左右の揺れが憎いのです。「あーごめんよ。隣の人ごめんよ。」心で呟きながら体に力を入れて、なるべく揺れに逆らいます。
時々隣の人の様子を伺いながら、体勢の調整をします。
隣の人が手を鼻に当てていたり、昨今はマスク着用の人が多いですから見かけることが少なくなりましたが、ハンカチを顔下半分に当てているようなことがあれば、目的の駅まで何駅あろうと、すぐに立ち去ります。
この状況で最悪なことは、駅間を運行している間に隣の人が立って、違う席に移ることです。この場合、私の香りのせいで不快にさせてしまったこと、他の空席を探し、立って歩いて、空席の周りの人に軽く会釈しながら座るという手間をさせてしまったことに対する謝罪が必要です。しかし謝りに行くのにも、私が動くと香りも動いてしまうことになり、さらに不快に思う人が増えるということを考えると、私は座ったまま何事もなかったかのように澄ましておくことが最良なのです。
このように文章にして書いてみると、甚だ面倒な人間だと思う冬・春休み前半なのでした。
”香水をかけ過ぎてしまった日”に共感してくれる人が一人でもいらっしゃったら心強いです。
次回の第五回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)
内田の話 第三回
2023/01/09
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
あけましておめでとうございます。
1月は4年生の卒業制作展と3年生はゼミ室の引越しということで、皆様バタバタしていることと思います。妖怪いそがしに取り憑かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、住んでいるところから鷹の台駅に行くまでに、毎年行き方を変えています。
4年生になる年になり、今年はどの行き方にしようか、考え始めたところでございます。
実家暮らしの方も一人暮らしの方も、住んでいるところから大学までの道のりは、どうですか?
鷹の台駅から大学に行く時、私は、12通りの行き方を使い分けています。
武蔵美生の集団と鳩を避けて通っていたら、結果的にそうなっただけの話なのですが、同じ道に飽きるということもあります。
駅から大学までのたった20分×3年間で、鷹の台印象的住民ベスト3が発表されました。
その道のりのひとつで、よくすれ違っていたおじさんがいました。もちろんベスト3の方です。
容姿は、小竹信節先生のような帽子に丸眼鏡、アウトドアでもシティーでも着ていけるようなカジュアルな服装のおじさんです。
会うと、「あ、あの人だ!」と少し嬉しくなりますが、通り過ぎてしまえば何も思い出しません。
しかし、ある時歩いていると、ふと、あのおじさんを思い出してしまいました。
同時に、あのおじさんには、もう会うことができないような気がしました。
その直感は的中し、だいたい同じ時刻に同じ道を歩いても、あのおじさんとすれ違うことはなくなってしまいました。
今一番会いたいのは、あのおじさんです。
2023年もよろしくお願いいたします。
次回の第四回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)
内田の話 第二回
2022/12/12
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
世間では、サッカーの森保監督の試合中のメモが注目されていましたが、皆さんメモをとっていますか?
メモをとる訳はそれぞれあると思いますが、私の場合は、本当にすぐに忘れてしまうからということです。
気を許した人の前では、驚くほど長期的記憶力がありません。そのことに気が付いた頃から、私はメモ魔になりました。何か手を動かしていたい欲が満たされます。
空デに入学する前、鈴木康広さんというアーティストをテレビで観て、やったことのないノートの使い方を知り、試してみたことがあります。
無線ツバメノートで、気まぐれに開いたページに書くということは、私には合いませんでした。
ここ数年のおまけの目標は、自分に合う記憶法を見つけることなのです。
そのひとつでメモ魔を続けていますが、やはり見返さないと記憶は定着しないことに、今更気が付いた最近この頃です。
忘れないために始めたメモも習慣(癖)となり、離れられない関係性になりつつある今、知りたがり屋の性格もあり、他の人のメモが気になって仕方がありません。
自分のメモを見られることは非常に不快なことです。メモする人はお分かりいただけるかと。
だから見ることはしませんが、やはり他人のメモには、その時のその人の全てが詰まっているから魅力的なのです。
メモをとりながら考える、考えるためにメモをとる、メモをとり続けてできるようになったことです。
もう、メモをしないでは考えられない身体になってきてしまっているのが、いいのか止めるべきなのか。
電車でスマートフォンに夢中になりながら、もう片方の手の人差し指と親指をスライドさせて、自身の髪をネジネジしている人がいました。
考えながらメモ、メモをとって考えるのと同じように、ネジネジしながらスマホゲームの戦略を考える人にとっては、ネジネジがメモなのかもしれません。
メモが癖になるのだから、癖がメモということもありえると思いました。
次回の第三回もよろしくお願いいたします。(文・内田莉子)
内田の話 第一回
2022/11/14
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田です。
次の日が朝早いという時、翌日に着ていく洋服と手荷物を準備すれば、効率が良いし、朝バタバタしなくて済む方法のひとつだ。
しかしなぜだろう。
私の家族に限ったことなのかもしれないが、前日に準備した洋服の中に、靴下が入っていないのだ。
だから朝、「靴下貸して」「これいい?」「それはだめ」「じゃあこれは?」というドタバタ靴下小騒動が頻繁に起こる。
こういう小騒動を起こす者は、靴下を甘く見過ぎなのだ。
靴下も立派なファッションのひとつであるということを理解していないのだ。
もっとも、靴を履いてしまえば、外からは見えなくなってしまうし、手を抜く、楽ちんをするという意味では、靴下がその役になってしまうのも分かる。
けれど違うでしょ。
たとえ靴下が靴に隠れたとしても、神は細部に宿る。
「周りの人にはわからない、私だけが知っている今日の私の靴下。えへ、可愛いのよ。」
「今から行くお店がお座敷だったらちょっと嬉しいな。」
なんて思っていればハッピーなのではないか。
だから私は、今日もお気に入りの靴下を履く。
靴下の話をもうひとつ。
私は、我らが鈴木康広先生の靴下を2度ほど見たことがある。
ひとつは、身体翻訳家の米山さんが授業をしてくださった時、芝生の上で靴を脱いでストレッチしている鈴木康広先生の靴下。
もうひとつは、鈴木康広先生の「空気の人」という作品のメンテナンスのため、体育館で作業をする鈴木康広先生の靴下である。
どちらも共通点がある。
それはピンク色の靴下だったということ。
ボーダーに紺色や黒色のズボンばかりの鈴木康広先生が、まさか爽やかで、やさしいピンク色の靴下を履いていたとは、大袈裟に言えば衝撃的だった。
鈴木康広先生が若い頃の宣材写真をみれば、ピンクのシャツを着ていることからも、ピンク色が好きなのかな、と私が勝手に思っているという話。
ちなみに「空気の人」のメンテナンスの時は、アシスタントの方もピンク色の靴下で、2人で立って話し合っている時、足元では、ピンクがウニョウニョ動いていて可愛かったのだ。
次回の第二回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)
内田の話 第零回
2022/10/10
こんにちは。
鈴木ゼミ10期生、現在3年生の内田と申します。
このコーナーを開いてくださってありがとうございます。
この度、ゼミ長の佐々木さんの提案で、誠に勝手ながら連載を始めることになりました。
人に提案してもらって自分が何かする、ということはあまりなかったので、提案してもらったことが嬉しく、ウキウキで連載コーナーを作りました。
できるだけ面白く、誰か一人でも楽しませることができたら嬉しいなと思っています。
前置きがないと、「いきなり現れたよくわからない内田というやつがやってる連載コーナーって何だよ」ということがあるだろうと思い、第零回を書いています。
タイトルに、ちゃんとした連載企画のようなセンスあるタイトルをつけたいと思ったのですが、センスあるタイトルを思い付かなかったので、私は内田だし、シンプルに「内田の話」にしました。
どうぞ、よろしくお願いします。
ところで、自分の苗字をどう思っていますか。
私は内田なのですが、小学生の時にテレビで観た同年齢の野球少年打田くんをみて、”うちだ”の漢字の可能性を感じてから、”うちだ”が嫌ではなくなりました。”うちだ”は”内田”だけだと思っていたので、他の”うちだ”がいて嬉しかったのです。
先日、鈴木康広先生の『空気の人』のメンテナンスのお手伝いに参加した時、「内田さん、外田さんっているのかね?」と聞かれ、「いるんじゃないですか」という何ともつまらん返しをし、「外田さんに出会ったことはある?」と聞かれる場面がありました。
私が思うに、外田さんは稀です。なぜなら、今ここで、”外田さん”とタイピングをしようとして、”そとだ”と打っても”外田”と出てこないからです。”そと+でん”で”外田さん”とタイピングしています。そうすると、このPCの中では”外田さん”は、”そとでんさん”ということになっていて、何だか面白いなと思っている連載第零回でした。
と書いている間に、”うちだ”が”内田”ではなかったように、”そとだ”も”外田”ではないかもしれないと思い、他に”そとださん”がいるのか探す課題が増えました。
このような、課題と言っては大きいけれど、今後、偶然に見つけられたらいいなという課題をなんと呼んだらいいでしょうか。
小課題?宿題?
宿の課題でも、大きい小さいでもないので、偶然と課題ということで、偶題ということにしておきます。
しかし何ということか、偶題を検索してみると、偶題が存在していました。よくあることです。作った自分の言葉だと思っていたら、すでにある言葉だったということ。
偶題とは、たまたまできた即興詩のことだそうなので、偶題を取り止めて、「偶然に見つけられたらいいなという課題」そのままでいきます。何かいい言葉を思いついた方がいらしたら内田まで。
話が飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回ってはいませんが、鈴木ゼミの発展とこれからの文筆向上を祈念しまして乾杯。
”すずき”という苗字は、植物(木)でもあって、魚でもあって、鈴木さんが多い理由もそこにあったりするのでしょうか。
次回の第一回もよろしくお願いいたします。
(文・内田莉子)