渡邉真緒
『Press』
ビニール、布
常識、当たり前、多数派の指示。そういうものに疑問を感じるなら自分と対話して、不完全でいい、未熟でいいから自分なりの答えをだしてみて欲しい。リクルートスーツを嫌ゝ着用する世の中と自分のギャップに葛藤する私と同世代の人たちに向けて。
─卒業制作にはどんなテーマで取り組みましたか?
共同制作者の高橋さん(天野ゼミ)とお話しして、リクルートスーツを着るときの違和感や社会と自身のギャップをテーマに卒業制作に取り組みました。
私はリクルートスーツを身に纏うとき、社会の圧力を着る感覚になります。状況に合わせて服を選ぶことは、一方で自分の魅せ方やこだわりを捨ててしまうことにつながっているのではないか?と疑問に思い、この制作を始めるきっかけになりました。
─制作を通して気づいたことや変化はありましたか?
卒業制作のためリクルートスーツに対する意識調査を10代後半〜20代の方に行いました。
そこでは社会的制服に対する「嫌い」の意見が圧倒的に多かったのですが、なかには、着崩したり制服のアレンジをしているという意見もありました。制服を自分自身に近づける行為をそれぞれが見つけていて、楽しそうに着ているのがとても素敵だなと感じました。
─これからどんなことに取り組んでいきたいですか?
もう学校のなかで課題が出されることはありませんが、見つけた違和感や疑問を放っておかずに、温めて答えを形にし続けたいと思っています。
─鈴木ゼミで学んだことはなんですか?
ゼミで「自己と他者」について考えを交換し、個性豊かで面白い「ものの見方」をもらうことができました。
ゼミ生と言葉を共有できたことで自分の輪郭が今まで以上に大きくひろがりました。いろいろな角度からものを見る面白いゼミに関われたことが嬉しいです。