永長愛美
『おやすみどころ こぼれソフト』
布、ボンド、木材他
ひみつきちのような テントのような コーンでひとやすみちょっとダメなところが愛おしい とろけたソフトクリーム
─卒業制作にはどんなテーマで取り組みましたか?
「もっとダメでもいいんだよ」というのを1番に伝えたかったです。他の国にも起こっていることだとは思いますが、昨今、過労死や自殺が増えていることを日本のおかしなところだと思ったのがひとつのきっかけです。
日本人はとても勤勉で真面目で、追い詰められてしまうことが多いのかもしれないと考えています。そんな完璧主義で頑張りすぎてしまう人々に、「ちょっとダメでもいいんだよ」「ちょっと抜けてるくらいが可愛いんだよ」というメッセージを込めて制作しました。大人にとっては休める場、子どもにとっては遊びの場になることを目指しました。
─制作を通して気づいたことや変化はありましたか?
展示環境と作品に関して、いかに自分の思い込みが強く客観視できていないかを痛感しました。最終形態は芝生全体にソフトクリームを散らして配置していますが、それは鈴木先生にアドバイスをいただいて変更したことです。
もともと締め切りギリギリまで緑色の人工芝をグリッド状にして、その上にソフトクリームを整列させていました。展示環境の活かし方や見え方を考えると明らかに広く使った方がいいのに自分の中での完成図は人工芝を使った展示方法で揺るぎなく、もう一度客観視してみよう!という気持ちが欠落していたのに気付かされました。
また、展示最終日の夕方には鑑賞者にソフトクリームを配布したのですが、「持って帰れます。好きなものを選んでください!」と伝えたときと通常の展示状態とでは鑑賞者と作品との関わり方や交わり方が大きく違っていたのが面白かったです。
子どもたちがとくに興味津々で見てくれていたのですが、保護者の方に「触っちゃダメ!」と叱られていた場面をよく見かけていたので、初めから触って楽しめる体験型の作品に見せ方を寄せても良かったなと思っています。
─これからどんなことに取り組んでいきたいですか?
「こぼれソフト」がモチーフとして自分の中でしっくりきているのと、作品を見てくれた方のリアクションを受けて、よりおもしろくブラッシュアップできないかと考え中です。自分の作品を見つめ直して、よりよく人に受け入れられられるものにしたいです。
─鈴木ゼミで学んだことはなんですか?
頭を柔らかくすることです。当たり前ですがゼミ生たちはわたしには無い視点を持っていて、20人いると20通りの意見や見え方が現れる場所でした。日常の些細なことについて意見交換したり、時間をかけて考えること、普通に生活していたら絶対に無かっただろうな、という時間をたくさんくれました。