岡山ななみ

 

 

『if away』
ミクストメディア

何気なく会話をするには2人の距離はいつもより少し遠くて、向こうから伝えたいことはうまく私に伝わっていなかったと思うけれど、私はいつもより人が人らしく感じました。

 

 

─卒業制作にはどんなテーマで取り組みましたか?

人と人がコミュニケーションを取るための距離感の再認識をテーマに、10mのテーブルを制作しました。
ふだん何気なくテーブルを挟み、向かい合い、言葉を交わしていた2人の環境が不自然に変容したとき、伝えたいことが伝えられなくなったとしても、何らかの感覚で相手の内面を知る方法が他にもきっとあると思いました。

 

─制作を通して気づいたことや変化はありましたか?

テーブルの上に吊るした約10mの角材にタイルを端から端まで1列に敷き詰めたとき、タイルひとつひとつに向こう側にいる相手へと繋がる欠けてはならない要素を感じ、その存在が思いがけずテーマに沿っていると気づきました。

 

─これからどんなことに取り組んでいきたいですか?

武蔵美での4年間を通して、私は様々な物事に対し「空間」というフィルターを1枚はさんで見ていることが多いと気づき、シンプルに「空間」が好きなのだと感じました。
引き続き、私自身のためにも空間にまつわるリサーチと制作は続けていきたいと考えています。

 

─鈴木ゼミで学んだことはなんですか?

物事に対して無限に疑問と想像が生まれること、それに対する明確な答え合わせをしなくてもいいことに心地よさを感じるようになりました。