12期生ゼミ展
『unknown tools -かたちのない道具-』-飯村胡春
2025/10/03
《throw away regrets.》プロジェクター、紙、木材
たとえ達成できなかったとしてもだるまの右目を書き入れる行為は、物事に区切りをつけ、気持ちを切り替えるきっかけになります。
やりたかったのにできなかったこと、もっとこうすればよかったと思うこと。
だるまの右目を書き入れるような気持ちで、あの穴に向かってあなたの後悔を投げてください。
『unknown tools -かたちのない道具-』-岡田玲子
2025/10/03
《歯に絹着せる》 障子、絹、歯
年輪とか地層みたいに、私の歴史を刻んでる歯を見るのが好きです。
骨折した時に欠けた歯に被せてある銀歯は、武装しているようで、見ると落ち着きます。
どうやら今の研究では、ミイラの歯を調査するとその人の生活が分かるらしく。
歯ひとつで丸裸になってしまうことが、なんだか気恥しい気もします。
歯に何か着せてあげたいと思うようになり、せっかくなら、歯に衣着せた言葉遣いができる武装をしてみました。
『unknown tools -かたちのない道具-』-川野莉里花
2025/10/03
《みえない境界》木材、布、LED
この展示は、見えない境界線をめぐる実験である。
空間に漂う気配、光の変化、そして身体の動きが一体となり、鑑賞者は境界のあわいに立つ。
境界とは、単なる区切りではなく、関係性の生まれる場所。
それは曖昧でありながらも確かな存在で、
目に見えないけれど、確かに感じ取ることができる。
門をくぐるその瞬間、
感覚の扉が開き、空間が呼吸を始める。
見えない境界を越えることで、私たちは新たな視点へと導かれる。
『unknown tools -かたちのない道具-』-小出柚羽
2025/10/03
《きのう、何食べましたか?》モニター
動物と会話したい。
もしかしたら答えてくれるかもしれないと信じて話しかける。
ただし、道具は使わない。
『unknown tools -かたちのない道具-』-コウ シュゲン
2025/10/03
《▂ ▃ ▂▂ ▄ ▂ ▅》砂、デスクチェア
思考の途中、資料を取るとき、立ち上がる前……デスクワークにおける椅子の移動は、無意識のうちに繰り返される身体の所作。それはまるで、かつての農作業や機織りのように、現代の働く身体が刻む、静かな「儀式化された動き」である。
その繰り返しが、砂の上に微かな痕跡を残すとき、見えない日常のリズムに気づく。
普段の生活中で無意識の動作から立ち現れた、既知でも過去でもない、「いま」を映し出す道具。
『unknown tools -かたちのない道具-』-神藤真杜
2025/10/03
《Eye tracker》プロジェクター、カメラ
DVDスクリーンセーバーは本来CRTディスプレイの焼き付きを防ぐものだが、液晶画面が主流になったことでその本来の役割は薄れていっている。
そこでDVDスクリーンセーバーをなんとなく目で追ってしまうモーショングラフィックスとして捉え、見る/見られる空間を制作した。
『unknown tools -かたちのない道具-』-杉山心菜
2025/10/03
《時間の滴り》プロジェクター
茶色い壺に黒い釉薬が垂れた模様は、壺一つ一つに個性的な軌跡を残しており、今もなお垂れ続けているような動きの魅力を持つ。
軌跡が連なってできたそのかたちは、茶色い壺が過ごしている時間を見せるために描かれたのではないだろうか。
わたしが垂らした釉薬は、展示空間に流れる時間を感じさせるための道具。
『unknown tools -かたちのない道具-』-善場 愛
2025/10/03
《円錐台、そして滑車》鉄、滑車
構造・素材は同じだが、サイズ感を変えたモノを作った。
モノや環境は、「これをどのように使うべき」かを示す特徴を持っている。
この「見た瞬間に扱い方を自然とモノから教えられる」という枠組みから外れた場合、人とモノの関係はどう変化するのだろう。
これは何として使えるだろうか。
ぜひ、手に取り、関わってみて欲しい。
『unknown tools -かたちのない道具-』-田中日和
2025/10/03
《焼きつくかたち》クッキー
クッキーで民具のかたちを再構成し、質感・風合いといった “視覚的味わい” を再現しようとした。
機能が消えていくなかで、残るのは何か?かたち?味?記憶?
民具を模すクッキーを作ることは、消えゆく道具の“記憶の輪郭”をなぞる行為。
私のつくる器には、液体は注げないけれど、そこに“記憶”や“視線”が注がれる。
『unknown tools -かたちのない道具-』-塙 快崚
2025/10/02
《Beyond Function》農具、写真
柳宗悦が見出した「用の美」は、いまやその機能とともに姿を変えつつある。
本展は、現代の農具に宿る美を、機能と民藝からもう一度捉え直す試みである。
合理の果てにある構造美と、意味の届かぬ形への直感的な感応。
写真は再現ではなく抽出である。
用途を離れたかたちは彫刻として立ち上がり、更新された民具の美として静かにその姿をあらわす。
『unknown tools -かたちのない道具-』-松原駿人
2025/10/02
《6畳ー間における解体したベッドのパターンの着手》ポケットコイル、パンチカーペット
重たい長方形の物体を分解したことにより、蛇腹畳の、弾性を持つ別の物体に変容しました。
『unknown tools -かたちのない道具-』-吉富彩華
2025/10/02
《Re:plica》新聞紙、ペットボトル、器、お香
その時代の出来事や価値観を刻むメディアを、今を生きる道具に転写する行為。
『SUPER★PLAY』-善場 愛
2025/04/28
《てあそび》木材、モーター 180×100×80
日常の中で何気なく行う仕草、手遊び、暇つぶしそれらの動作を機械にさせる。
人の普段特に気にも留めない行為だからこそ、動きの共通点があること、1人1人の癖や個性が現れることに気づく。
『SUPER★PLAY』-飯村胡春
2025/04/28
《情報の往来》充電ケーブル ほか 10×2000×1500
私たちの身の回りにはたくさんの物で溢れている。
物ひとつひとつは使う用途も場面もさまざまだ。
食べ物、仕事道具、日用品、いつも使う物に限らずいつの日か手に取ったことがある物、あの人が使っていた物、どこかで見かけたことがある物。
用途、色、素材、名前、成分、現象などひとつの物には多くの情報がつまっていて、一見バラバラに感じられる物と物の間には繋がりが流れて、往来しているように感じる。
『SUPER★PLAY』-岡田玲子
2025/04/28
《エンドテープ》ハンドラベル、ハンドラベラー サイズ可変
このシールの名前、エンドテープだと思ってたけど、どうやらハンドラベルというらしい。
機械はハンドラベラー。
いつも働くこいつ、この機会に遊ばせてみる。
『SUPER★PLAY』-川野莉里花
2025/04/28
《折り目の空間》マット紙 サイズ可変
この作品では、写真に意図的に折り目を加え、空間内で自立させることで、平面的な二次元のイメージを立体的な三次元の存在へと変容させます。
折るという行為は、写真の構図を意図的に崩し、新たな視点を生むとともに、空間との対話を引き起こします。
さらに、展示空間において折り目は、写真と展示室の相互作用を生み出し、写真が物体としての存在感を持つことを強調しています。
『SUPER★PLAY』-小出柚羽
2025/04/28
《動物衣替え-しまうま編-》写真、ゼブラ生地 2000×2500
私は競馬場でバイトしています。
馬との距離はけっこう近くて、その日もボーっと馬を見ていました。
目を疑いました。
きっとあれは馬主関係者でしたが、しまうまのような柄の服を着たおばさんがいたのです。
それから私は考えました。
馬はどう思ったのでしょうか。
おばさんはなぜあの服を着てしまったのでしょうか。
気になってしょうがありません。
これが、“動物衣替えプロジェクト”のはじまりです。
『SUPER★PLAY』-コウ シュゲン
2025/04/28
《輪郭の記憶》冷凍庫、氷 ほか 850×710×520
廃棄された生活用品の外包装を鋳型とし、その内部に水を注ぎ冷凍することで、一瞬の「輪郭」が形を与えます。
冷凍後、外側のプラスチックなどを取り除くと、かつての鋳型が残した記憶が、透明な氷の彫刻となって現れます。
形はやがて溶けて消えるものの、その一瞬に日常の廃棄物が新たな物語を生み出します。
『SUPER★PLAY』-神藤真杜・田中日和
2025/04/28
《Super Compression》圧縮袋、MDF 900×2400×400
部屋のスペースの確保に大きな貢献をしてくれる圧縮袋。
本来圧縮されない素材。
これはオルタナティブな圧縮袋のありかた。
『SUPER★PLAY』-杉山心菜
2025/04/28
《やわらかい足枷》スツール、綿ロープ サイズ可変
「ロープで編んでみよう」
「イスにロープで編んでみよう」
「イスとイスをロープで編みつなげてみよう」
このイスたちは、手遊びの連鎖でつながれている。
思いつきの連続の中に、イスのあたらしい姿が見えてくる。
『SUPER★PLAY』-塙 快崚
2025/04/28
《unclear》ポラロイド 107×9152
104枚の並べられたポラロイド。
これはかつて誰かが撮影したものだ。何故撮影されたか真相は全く分からない。だが私達はその理由を考える事ができるはずだ。
『SUPER★PLAY』-松原駿人
2025/04/28
《Reverse footwalker》スニーカー、ズボン、木材 250×350×300
昭和時代の子供のあそびとして有名な「缶ぽっくり」から着想を得たこの造形物は、ひとたび乗ればまるで地球の内側から足だけが飛び出てしまった人の足裏によって自分の体を支えているような奇妙なビジュアルを生み出します。靴紐を引っ張りあげて、足裏から伝わる重力を感じながら、25センチ高くなった世界をお試しください。
『SUPER★PLAY』-吉富彩華
2025/04/28
《5meters》縄、砂 12×250×450
まだ小さい頃、放課後によく大縄をして遊んでいた。
遊んだあと、砂が靴の形を真似ているのが好きだった。
縄と砂の交わりを、足跡というフォルムを介して永遠のものとする試み。