10期生

ゼミ展 庭と手入れ

2023/07/02

10期生 ゼミ展 庭と手入れ

 

はじまりはゼミ室の引っ越し。

 

何にもない部屋に膨大な物たちを運び込み、分類して、収納して、並べて。

何一つ決まっていない空間に、16人それぞれの手入れがされていく。

それらはゼミ室を舞台に循環したり衝突したりして、折り合いがつかないまま噛み合った。今回、その新しいゼミ室で手入れの展示をする。

あなたの何気ない手入れも誰かの手入れに影響を与えているかもしれない。

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ゼミ室に展示された作品にキャプションはありません。作品タイトルとコンセプトは当サイトに全て掲載されております。

ゼミ室の空間を歩き、気になるものがあればこちらの配置図と照らし合わせてお読みください。

 

 

1 渡邊月美

行為の手入れ

扉を開けて

熊から逃げて

バランスの悪いオブジェを横に

ゆく先が見えなくなってしまっても

少し視点を広げると新しい道が広がっている

途切れてしまっても飛び越えちゃったり

山を登ればまた横に

でもそれは直ぐになくなって

ふとした時に現れる

水中にあってもそれは変わらなくて

ふと顔を上げると

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また、選択をしていく

 

2 明和峻矢

Rebecca

国立で買った古雑誌。
買ったはいいものの自分の庭(家) に他人のものが入る違和感。
買っただけでは自分のものになった気がしない。所有とは?50年前には誰が?
誰かのものから自分のものへ。
誰かの気配を消すために古雑誌の手入れをする。

 

3 逸見野々花

無意識の手入れ

「手入れ」は始まりと終わりの基準が自分の中にある。そこが掃除との違いで、より主観的で体感的だと思う。

生活の中には自分も気がついていない「無意識にしている手入れ」がある。
食事の席でグラスについた結露をいつまでも拭いている人がいる。あの時グラスにどれだけの意識が行っているだろうか。グラスを手入れしているように見えて、実のところ自分の思考や場の会話の流れを無意識に手入れしているのだ。

 

4 佐々木灯

無題

遊びは庭、ルールは手入れです。
各々が遊びの庭の中でルールをやりやすいように変化させていくことが手入れだと思います。
法律や規則など日常のなかにも庭と手入れが潜んでいます。

 

5 SU HAIYIN

⬜️

匂い、ものの配置、落ち着ける要素や条件が人それぞれけど、形を限らず安心感がある「場所」いわゆる「わたしだけの空間」が存在している。自分なりに居心地いい「空間」を作る行為は「手入れ」と言えるでしょう。

 

6 北田 詩織

名付け、介入

手入れとはある意味、くだらないルーティンのこと。心の整理。手順やルーティン自体を気にする事。古い物や壊れた物を直すこと。綺麗にすること。ふでばこの中の物の向きを揃えること。古い家に住む、古い時計を使うこと。鉛筆を自分で削ること。決まった手順で靴下を履くこと。本棚の並びに意味を持たせること。環境の整理をすること。合理的ではない部分や行いを愛すること。

 

7 栁澤梨夏

pile

8菅原旭

ブルーシートの中を誰も知らない

普段ゼミ室で使われているモノをブルーシートで隠し、その中身をゼミ生に思い出しながら描いてもらいました。
普段見ていたり、使っていたりするモノでもいざ見えなくなると詳しいディテールまでは誰も覚えていないものでした。
展示を見にきた方は、ゼミ生が思い出しながら描いたイラストやブルーシートの形、周りにあるモノから中身を想像するしかありません。

あなたが想像したモノは本当にブルーシートの中に入っていますか?

 

9 亀井優希 小林杏梨

時間の手入れ

ゼミ室の引っ越しの際に見つけた様々なモノたち。
自由に持ち出し、それを片付ける人、また別の場所に移動させる人。
様々な誰かによる手入れの中で、変容していく形と時間。
見えない時間に潜在する可能性の一つとして、
動くはずのないものたちに動きを与える手入れを施し、それぞれを時間の見立てとした。

 

『 時間の手入れ① -鍛える王将- 』

見つけてみて。

『 時間の手入れ② -浮遊する玉- 』

眺めてみて。

『時間の手入れ③ -逃げ出す玉子焼き- 』

観察してみて。

『時間の手入れ④ -円周するチョーク- 』

その軌跡を辿ってみて。

『時間の手入れ⑤ -ルーチンワーク- 』

耳を澄ませてみて。

 

10 濱田始希

カタチを巡る

現在と過去、
移り行くもののカタチ
手入れによって巡る時間の経過
“まわる”と現れる新しい”カタチ”
改めて認識する風景のピース

 

11 内田莉子

 変わらないわけないでしょお

変化を認めながら、手入れをして、人は、変わらないものを見ようとしていて、変わらないことがよいこと、にしているのかもしれないと思いました。
しかし実際は、変化の規模に関わらず、全てのものが常に変わり続けています。
変化はよいことだと思いますし、その変化をありのままに見るには、どうしたらいいんだろうか、という思いで制作しました。

それは自分の最近の疑問でもあり、どうしても、「なんでこうなったんだろう」や「何してるのか」など、目の前にあること以外の、目的や意図を考えてしまいます。
現代アートはそのように解釈をしていくと思いますが、そうではない自然を見るときの、目の前のことのそののままの見方を見つけられたらなと思っています。

手入れをしないことで生まれる新たな感情や風情や形が変化の証で、それこそを私は大事にしたいと思います。

 

12 近藤さくら

新しいゼミ室に膨大なものたちが運び込まれ、配置されていく。 木材はここに立てかける。釘はこの箱にいれる。本はこの棚にしまう。文房具はこの引き出しに入れる…。
手入れを行うためには前提に” ルール” が存在する。16 人がさまざまなルールのもと、ものを配置していく。 共同空間で 16 人が了承を得た共通ルールがあることで、その空間の手入れがされていく。
『空間(庭)に、決められたルールに基づいた、物の配置を行う』 その行為を『手入れ』だと解釈する。
私は” チェス” が好きだ。 盤という空間の中で駒は移動し続けるが、ルールに基づき、マスのグリットによって駒が配置されていく
グリットを基準とした配置に《美しさ》を感じ、それと同時に『手入れがされた』と認識する。 私の日常の『手入れ』は、まさに『チェスの駒を指す行為』と同じなのだ。
私の与えられたこの卓上の空間では、チェスの盤に駒を刺していくようにものの配置を行う。 ゼミ室にあったものたちをこの庭の中での『手入れ』を行う。

 

13  井上理菜

風の手入れ

洗濯物を干す時、乾きやすくするために1つ1つのものでバランスをとり、隙間を程よく開けることで風通しを良くする。

生活もそれに似ている気がした。

なんでも、バランスのとれた生活を基本として、時々崩れたところをまた調整する。この「直す」という行動がまさに手入れである。

この作品のピンチハンガーは風を受ける装置として使用。風を受け、干渉し合う物は全てゼミ室にある手の届く範囲にあった「ちょうど良い物」で構成。

なびき、保ち、崩れたら直す。この繰り返し。

 

14  村田葉

足元

庭にいると別の場所を空想したくなるところから作りました

15  神野駿

宇宙飛行士も富士山を見てる

2022/10/17

本日の出石者12名(のべ) 3名欠石

準備中です

2022/10/11

10期生は毎週月曜日「目にみえない遊び」を記録しています

こちらでは普段の授業の風景を記録していく予定です。

 

内田が個人の連載コーナーを作りました。そちらも併せてご覧ください。

 

担当:光