3期生 “TRY P”

結末はない

2016/12/06

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制作:飯嶋りか

わたしたちは物事の結果を、日々「こうであるだろう」

と予想してしまうことが多いように感じる。

しかし、結果というものは常に予想できないものだ。

予想どおりの結末など何一つ存在しない。見えないものなのである。

 

階段は異なる階にいくものだ。

しかしこの階段の先には何もない。

先にはなにかがある という考えは自分の思い込みからつくられた結末なのである。

 

卒業制作では、

その結末のないものー「こうであるだろう」というものは単なる思い込みである

ということを表現していきたいです。

三日月の赤

2016/12/06

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制作:西川あゆ

指先を切ってしまったとき、小さくにじむ赤色と、その形をいとおしく思い、しばらく眺めています。/(銃で撃ち抜かれるシーン/ぐちゅぐちゅに開かれた傷口)少しでも痛々しい描写のある映画すらもまともに見ることができないのですが、小さな、だれにも知られないままいなくなってしまうような傷のことが好きです。日々の生活のなかでおこる胸ときめくできごとは、その傷とどれも同等くらいのきもちで眺めています。わたしたちの生活はあってもなくてもいいようなことの羅列で、そのどのできごとも、そこに生まれる感情も、あってもなくても同じようなことばかりだと真剣に思っています。それでもその小さな、とるにたらないことごとの集積でわたしたちの生活がつくられていること。電車に乗っているときにふと、ここにいる全ての人たちにそれぞれの日々があって生活があってできごとがあるのだ、と思うと、そのあたりまえのことに、ほとんどくらくらします。

—「三日月の赤」ほんとうのこと〈a〉

海を見た日

2016/12/04

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制作:藤田 知穂

海は母体のようである。

生命は四億年前に海から陸へと進出した。水の記憶をなくした今でも 人間の始まりは、体内の大きな海である。海は途方もなく広がる一本の線のよう。いつまでも見てしまうその、変化し続ける 美しさと果てしなさ。海を感じる時、 人々はともに、身体の温度と無限の愛を感じるだろう。海がどこまでも深く続いているように、 人それぞれの違った記憶や思いが生まれる場でありたい。

波は楽譜のよう流れる旋律は私の耳元に懐かしく響く。 私は声を出す。風に揺れる全てのものは線になり、音になり、 メロディーと一体となり空間に漂う。

卒業制作では、音や風、目に見えないものによって見ていたものが別のものに見える。そのような空間を作り出し、パフォーマンス公演を行いたいと思います。

なみのうつわ

2016/12/04

制作:田羅 義史

生きて行く為に最も大切でありながらも当たり前になってしまっているみずをみずに再認識するそんな硬く柔らかいうつわです。

 

*この作品はプレ卒展用作品であり実際の卒業制作とは関係ありません。

キッチンテーブル、水、背骨

2016/12/03

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制作:戸口 誉

目が覚めて、服を着て、顔を洗って、花を飾って、肉を捌く

卒業制作では、キッチンを舞台にパフォーマンスを行います。

ゼミ展では舞台になるキッチンの一部を制作しました。

語竹

2016/12/02

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竹裏無人聲池中虚月白
竹裏人聲無く池中虚月白し

深竹蕭蕭杜宇悲
深竹は蕭蕭として杜宇悲しむ

 

「竹」と「書」の習作

制作:玉野 有花

Wlight

2016/12/02

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制作:小高 麻子

鈴木ゼミ4年の小高です。今回の4年ゼミ展示「TRY P」では作品を「Wlight」と題し、作品を展示しました。
光を意味する【light】と書く事を意味する【write】。この二つの言葉を掛け合わせた言葉をテーマに制作しました。
電球を模した形状のチョークは、普段良く使われる棒状のものと比べても手に包み込む感触等、一風違った感覚で筆記出来るものに仕上がったと思います。

素材としてチョークを使った作品の為、展示会場では黒板塗装を施した台に試し書き出来る場所を設けていました。
来場して頂いた様々な方が手に取って、筆跡を残されていた姿が印象的でした。

ゼミ展「TRY P」

2016/12/02

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11月24日(木)〜26日(土)の3日間、武蔵野美術大学8号館1階で4年ゼミ展「TRY P」を行いました!

卒業制作展を約2ヶ月後に控えた中で、3回目となるゼミ展でした。

今回のゼミ展は、このブログのタイトルにもなっている「TRY P」(=挑戦の場)というテーマで、ひとりひとりが卒業制作に向けて登頂していくイメージとしました

香りの遠足

2016/11/10

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授業担当:藤田知穂

目に見えないけれど、存在を実感するものについての考えを深めたいと思い、今回は “香りと記憶”、“香りと色”について授業を行いました。

1.“香りと記憶”について

《お題》

香りと記憶の結びつきは医学的に実証されていますが、日常的に香りについて意識をするという機会があまりないと思い、まずはそれぞれの香りによって思い出される記憶のエピソードとその香りについて、話を伺いました。

《回答》

戸口さんは墨の匂いを思い出そうとすると、中学生の頃に見たアーティストの作品を思い出すという話でした。その作品は古民家の地面の土を掘り起こした作品で、その部屋から香る土と埃とそこに混ぜられていた墨汁の匂いが今でも記憶に残っていて、墨の匂いを嗅がなくても、どういう匂いか思い出そうとすると、その景色が思いだされるという話でした。

玉野さんは、最近引っ越した家の匂いが服に染みつき、自分の服なのに匂いが違うことによって、他人の服を着ているような感覚になるという話でした。

西川さんは、夏のリビングのむっとした匂いを嗅ぐと、毎年同じ匂いを嗅いでいるはずなのに、思い出すのは小学生の頃の夏休みの記憶だという話でした。

《回答から分かったこと》

戸口さんの場合は、墨の匂いを嗅いで思い出すというよりも、墨の匂いのイメージ=その作品の記憶になっていて、私にはない記憶と香りの結びつきだと思いました。

玉野さんの話からは、確かに自分の家の匂いは、意識をしていなくても自然とその匂いがあり、もっと大きくいうと、国によってもその国の匂いがあり、普段は慣れて感じなくなっていた匂いも、違う環境にいくと、その匂いと差がより鮮明に浮き上がってくると思いました。

西川さんの話は、私も同じような経験があり、幼い頃に感じた“夏の匂い”のような匂いの記憶は、年を重ねても最初の記憶から更新されることはないのかもしれないと思いました。

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2.“香りと色”について

《実験内容》

香りを花香・薬味臭・樹脂臭・果実香・腐敗臭・焦臭に分け、10個のサンプルを用意し、目隠しした状態でその匂いを嗅いでもらい、匂いから何色を想像するかという実験を行いました。

《実験結果》

匂いによって、風景から想像し色になるタイプの人と、頭の色のパレットの中からその匂いにあう色を選び出すタイプの人など、色を出すだけでも出し方は様々でした。また、パイナップルの匂いからはピリピリとする食感を連想させたという回答もありました。馬の油や墨汁の匂いなどは濁った色を想像しやすい傾向がありましたが、六つの分類から共通する色の違いなどは見受けられませんでした。しかし、視覚情報からではなく、嗅覚によって色、そして食感までも想像することが可能であることが分かりました。

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3.最後に

私は、作品で自分の見せたいものを目に見える形で見せるだけではなく、匂いや音など目に見えない刺激によって、その人の頭の中で広がる世界を想像させることができたら、作品は私の手の中から離れ、見る人によって様々に変化する、その人の作品になるのではないかと考えます。今回は香りと記憶、香りと色、という風に結びつきを分かりやすくしましたが、そのように、事前に意識を変えることができたら、より多くの人に目に見えない感覚を感じることが出来るようになるのではないかと思い、今回の授業を行いました。記憶は人それぞれ違うので比べることは難しいですが、色という共通のツールによりそれぞれの違いを知ることができました。次回はより具体的に目に見えないものから想像が広がるようなワークショップを考えたいと思います。

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TRY P

2016/10/20

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鈴木ゼミ4年生によるブログ「TRY P」を開設しました。

私たちは3年の後期に「CAM P」、4年前期には「SAMPLING」という2つの展示を経て、現在は卒業制作に向けて動き始めています。

鈴木ゼミの活動の指針のひとつである「遠足=日常を捉え直す小さな旅」、そして来年にひかえた卒業を私たちにとっての「trip」と捉え、さらにこれから始まる卒業制作に向けての「挑戦=try」をかさね、ブログのタイトルを「TRY P(挑戦の場)」としました。
武蔵美生でいられる残りわずかの時間の中で、ひとりひとりの小さな挑戦の場としていきたいと思います。

こちらのブログでは、卒制や卒業に向かう私たちの活動や思いを、毎週月・木に紹介します。

どうぞよろしくお願いします。